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AKB選抜総選挙 まとめ [大ヒットの方程式]

 6月7日に終わったAKB選抜総選挙、ヒット現象の数理モデルを使った私の研究室の予測は、2紙で紹介されました。

東京新聞 6月1日朝刊
http://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2014060102000156.html

読売新聞 6月7日朝刊
http://www.yomiuri.co.jp/culture/20140606-OYT1T50215.html

ほぼ同じ時期(速報値発表の数日後)に取材を受け、ほぼ同じことを答えてたものを、それぞれの記者さんがまとめた記事です。

ヒット現象の数理モデルでは「直接コミュニケーション」「間接コミュニケーション」という用語が出てきますが、ごく簡単に言うと、こんな意味です。

【直接コミュニケーション】ファンをどれだけ満足させているか。なので、有力各メンバーでは、実はあまり差は出て来ない

【間接コミュニケーション】今まで関心を持ってなかった人をどれだけ引き込めるか、という因子。つまり浮動票獲得に一番必要な数値です。


これらの記事で紹介された範囲で、ウチの予測がどうだったか、結果をまとめると
こんな感じでしょうね。

・渡辺麻友、指原莉乃が小差で激戦を予測。
 特に渡辺麻友が大きく票を伸ばして指原莉乃を抜く可能性があることをコメント。
・3位、4位に柏木由紀、松井珠理奈、島崎遥香が入る可能性を予測。
 このうち、島崎遥香だけは若干読み違えていて、順位は少し後退。
・松井玲奈・山本彩が、柏木由紀、松井珠理奈、島崎遥香の3人に次ぐくらいの順位の争いになることを予測。実際には島崎遥香が読み違いで票を落とし、その分、松井玲奈・山本彩が5位・6位となった。

それ以外に、実は、図をみてもらうとわかりますが、一昨年、昨年の圏外から25位に躍進したHKTの森保まどかの躍進を、実はヒット現象の数理モデルの計算で予測してました。私も院生の太田君も森保まどかさんをそれほど重視してなかった(ごめんなさい)ので、取材でも言わなかったんですよね。図はヒット現象の数理モデルで浮動票獲得に一番効くと思っている、「間接コミュニケーションの係数」の値です。今回票を伸ばした渡辺麻友、松井珠理奈、島崎遥香、山本彩などが大きな値になってることがわかります。指原莉乃・柏木由紀は基礎票を中心にして高得票を稼いだだけに、この間接コミュニケーションの係数は大きくないです。

特に森保まどかはすごく大きい数値で、これを素直に解釈すれば、大躍進が予測できたんですが。う〜ん、今さら書いても、後出しじゃんけんですよねぇ。

上位の人のヒット現象の数理モデルからの短評は以下です。

【渡辺麻友】 昨年と違って浮動票を大きく獲得し、指原莉乃との基礎票の差を逆転したと言えます。

【指原莉乃】 昨年同様の高得票だったのですが、間接コミュニケーションの係数はあまりよくなく、浮動票を大きく獲得して票を伸ばす状況ではなかったですね。

【柏木由紀】 間接コミュニケーションの係数は小さいので、浮動票は取り込めてませんが、元々基礎票が高く、それを地道な握手会などの努力で今回もうまくまとめて高得票に繋げたと思います。

【松井珠理奈】 間接コミュニケーションの係数は非常にいいのですが、速報値発表の日からの書込数の減少が大きく、直接コミュニケーションの係数は大きくないです。それと基礎票の少なさ。今回の4位はそうした不利を浮動票の大量獲得で補った感じです。

【松井玲奈】 同じSKEの松井珠理奈と比べると間接コミュニケーションの係数が低いですね。その分、浮動票の獲得が少なかったと思います。

【山本彩】 上位の人ほどではないですが、間接コミュニケーションの係数はある程度高いです。しかし島崎遥香には及ばない。その分を、地元関西の票をまとめて補ったのでは、と思います。

今回の選挙の後、渡辺麻友陣営は、昨年の実質敗戦を反省し、早くから私のヒット現象の数理モデルに着目し、それで昨年の敗戦を分析し、今年の選挙活動に活かしていたようです。このページは検索ですぐに出てきますから、おそらく渡辺麻友が推しメンの人の大多数が一度は見てるのでは、と思います。今回の勝因がこれだったら、うれしいんですけどね。

渡辺麻友陣営
http://www32.atwiki.jp/mayuyun/m/pages/54.html

一方、選挙後だったものの、4位の松井珠理奈陣営でもヒット現象の数理モデルに注目する動きが見られます。

松井珠理奈陣営
http://blog.livedoor.jp/tuyogaridokei/archives/39295723.html

今回の選挙を、前回以前とも併せて考えると、次の1位を目指す松井珠理奈、松井玲奈、山本彩、島崎遥香などが、まず乗り越えないといけないのが「柏木由紀の壁」だと思います。柏木由紀は3年前に3位になってからは安定して高得票を得ています。間接コミュニケーションは強くなくて、浮動票は大量には取り込めてないのですが、従来からのファンを確実に掴んでると思います。これまで、3位になって以降の柏木由紀の壁を突破してより上位に行った人は指原莉乃と渡辺麻友だけ。今回の松井珠理奈はあと一歩まで柏木由紀を追い詰めたと思いますが、届かなかったですね。さあ、次回、誰かが柏木由紀の壁を突破できるでしょうか。

Pのグラフ.png

3月最終週で、ヒット現象の数理モデル等の研究発表 [大ヒットの方程式]

来週は、3月24日に社会物理学、25日26日に経済物理学の研究会で発表.その後、27日〜30日は物理学会で、そこでも発表します.
私の発表は、24日、25日、26日、そして29日(物理学会)にあります.
私がからむ発表は以下です.
24日 ヒット現象の数理モデルによるドキュメンタリー番組のSNS上の評価分析
25日 金融機関振込情報のネットワーク分析
26日 ヒット現象の数理モデルの試み-江戸のヒット考古学-
   ヒット現象の数理モデルによ るテレビドラマ分析

24日〜26日は統計数理研究所で研究集会ですが、研究所のHPに載っているプログラムが一部間違いがあるので、とりあえずメールで得ている正しいプログラムをここに載せておきます.社会物理学、経済物理学両方です


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平成25年度 統計数理研究所共同研究集会「社会物理学の現代的課題」
日時:2014年3月24日(月)10:00−16:00
場所:統計数理研究所 2階会議室(立川市緑町)
http://www.ism.ac.jp/access/index_j.html


プログラム

10:00−10:05 はじめに

10:05−10:35
選手の位置を考慮したサッカーのパス回しネットワークの解析
成塚拓真(早稲田大),山本健(中央大),山崎義弘(早稲田大)

10:35−11:05
反応拡散ネットワークでの地理的プロファイリング
前野義晴(NEC)

11:05−11:35
ヒット現象の数理モデルによるドキュメンタリー番組のSNS上の評価分析
石井晃(鳥取大),小早川健(NHK技研),谷村徹(鳥取大),内山幸樹(ホットリンク)

11:35−12:05
日本語ブログの書き込み数時系列におけるランダム拡散モデルによるノイズ処理とその応用
渡邊隼史(ホットリンク),佐野幸恵(日大),セーヨ・サンティー(ホットリンク),
高安秀樹(ソニーCSL、明大),内山幸樹(ホットリンク),高安美佐子(東工大)

12:05−13:30 昼食

13:30−14:00
平和的個体と好戦的個体が共存する社会における階級の自己組織化
大溝健太,小田垣孝(東京電機大),藤江遼(東大)

14:00−14:30
人工言語の中立性維持とその安定性条件
藤江遼(東大)

14:30−15:00
リターンに倍率のある情報カスケード実験と選択の応答関数
桑波田康太,守真太郎(北里大)

15:00−15:30
Unstable Dynamics of Decision-Making with Adaption Caused by Dual-Processing in Human Cognition
Ihor Lubashevsky, Arkady Zgonnikov (The University of Aizu)

15:30−16:00
人間乱数:人の癖を使ったランダムパスワードの試み
田中美栄子,田中侑希(鳥取大)

16:00 閉会

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統数研・共同研究集会「経済物理学とその周辺」H25年度・第2回研究会(2/26)

日時:2014年3月25日(火)10:00~26日(水) 15:00 頃
場所:統計数理研究所2階会議室(立川市緑町) (参加費不要・事前申し込み不要)

■3月25日(火) 10:00―11:50 Session 1 Chair:田中美栄子(鳥取大院工)

「リスク移転で移転できないシステミックリスク」 
前野義晴(NEC)

「ヒト・マウス・ハエ-横断する放射線リスク評価にむけ て」
 真鍋勇一郎,坂東昌子,中 村一成(NPOあいんしゅたいん)

「再生可能エネルギー導入拡大に向けた電力系統技術」
片岡良彦(東京電力)

13:30―15:00 Session 2 Chair: 名倉賢(NEC)

株式市場における相関ネットワーク構造の経年変化」
新井優太(新潟大院自然),吉川丈夫(新潟大院自然),家富洋(新潟大理)

「株価時系列の予測可能性につ いて:アローヘッド移行の前後比較
山本敦史(鳥取大院工),田中美栄子(鳥取大院工)

「情報カスケードと動的イジングモデル」
久門正人(S&P)

15:20―16:50 Session 3 Chair:家富洋(新潟大理)

「次数と初期選択による集合行為への影響について」
岩永佐織(海上保安大学校)、生天目章(防衛大学校)

「金融機関振込情報のネットワーク分析」
大西立顕(東大情報理工),○石井晃(鳥取大院工),戸谷圭子(同志社大ビジネス)

「RMT-testと株価予測」
田中美栄子(鳥取大院工),三賀森悠太(鳥取大院工),楊欣(鳥取大院工)

■3月26日(水)

10:00―11:30 Session 4 Chair: 石井晃(鳥取大院工)

「ブログ書き込みと金融時系列の関係性と時系列の関係性指標の社会現象を用いたベンチマーク指標の開発の可能性」
渡邊隼史(ホットリンク), セーヨーサンティ(ホットリンク),山田健太(早大高等研),内山幸樹(ホットリンク)

「企業の特許と全要素生産性の関係」
藤本祥二(金沢学院大)、石川温(金沢学院大)、水野貴之(NII)、渡辺努(東大経済)

「ABMによる減税乗数再現のためのモデル構造の解析」
荻林成章(千葉工業大)

13:00―14:30 Session 2 Chair: 田村義保(統数研)

外国為替レートの変動間の相関とエントロピー」
石崎龍二(福岡県立大学人間社会学部)

「ヒット現象の数理モデルの試み-江戸のヒット考古学-」
川畑泰子(九州大学芸術工学府)、源田悦夫(九州大学芸術工学府)、石井晃(鳥取大院工)

「ヒット現象の数理モデルによ るテレビドラマ分析」
石井晃、北尾明子(鳥取大)、小口日出男(エムデータ)、内山幸樹(ホットリンク)

AKB選抜総選挙解析を国際会議で発表 [大ヒットの方程式]

7月初めに秋葉原である感性工学の国際会議 ICBAKE2013で、私の発表と共同研究者である川畑さんの発表とが、現時点でのプログラムでは、いずれも7月6日の午後後半ということがわかりました。
以下がその発表タイトルと著者です。

(A3-2) Akira Ishii, Sho Ota, Hidehiko Koguchi and Koki Uchiyama;
Quantitative analysis of social popularity for Japanese pop girl group AKB48 using mathematical model for hit phenomena

(B4-3) Kawahata Yasuko, Genda Etsuo and Ishii Akira;
RevePrediction of Music Concerts Using the Mathematical Model of Hit Phenomena

この国際会議は自由参加とはいきませんが、聴くだけの学生さんの参加費は安いみたいです。

私としては、ヒット現象の数理モデルの話を6月下旬にアイスランドとポルトガルの2つの国際会議で発表した直後ではありますが、こちらはAKB選抜総選挙の解析に絞った発表なので、それなりに準備します。投稿済みの論文は昨年のAKB選抜総選挙の解析ですが、当然この口頭発表の時は今年のAKB選抜総選挙についての分析も発表します。

感性工学の国際会議 ICBAKE2013 7月5−7日 秋葉原
http://www.sd.tmu.ac.jp/ICBAKE2013/index.html

ヒット現象の数理モデルの論文が掲載誌New Journal of Physicsで最も読まれた論文の1つに! [大ヒットの方程式]

New Journal of Physicsに掲載されて、先週世界的に報道もされたヒット現象の数理モデルの英文論文が、雑誌のホームページのMost Readの欄のトップにある!過去30日でのダウンロード総計なのに、1週間前に掲載された我々の論文が入ってるなんて。トップ掲載がダウンロード数の順位の1位かどうかはわからないけど、びっくり。 なにしろフリーで簡単にダウンロードできるし、きっと、報道を見た多くの人がダウンロードして、へぇこれかぁとか言って斜め読みしたのかな。

ある意味、物理学の専門雑誌の論文が一般の人に手に取って読まれたという意味では画期的な事なのかも。

http://iopscience.iop.org/1367-2630

ヒット現象の数理モデルの研究が全世界に報道されちゃった [大ヒットの方程式]

映画などの観客動員数の時間的推移を数理モデルから予測できるという、私が作ったヒット現象の数理モデルの英文の論文がイギリスとドイツの物理学会がジョイントして作ったNew Journal of Physicsという雑誌に載りました。日本ではすでに『大ヒットの方程式』という本で一昨年に発表してますが、物理学の世界では英語で発表しないと発表とは認められないので、本の出版後の研究成果も含めて、やっと英文の論文で発表できました。

この論文が掲載されるNew Journal of Physicsの編集部がこの論文をすごく気に入ってくれて、査読がパスして掲載が決まった頃からプレスリリースしたいという申出が来てました。もちろん、プレスリリースは大いに結構と同意したのですが、まさかこんな大々的な報道になるとは思わなかったというのが正直なところです。

論文が雑誌の公式ホームページに掲載されるのが6月15日。その前日には各報道機関にプレスリリースを流したようです。ちなみに、論文は雑誌の公式ホームページのここから、誰でもダウンロードできます。

http://iopscience.iop.org/1367-2630/14/6/063018

さぁ、14日夜には、早速AFPの記者からメールが来ました。これは取材申込。記者はプレスリリース以外に論文も一応目を通したようで、かなり突っ込んだ質問がメールで来て、それの答えにまた質問が来てという具合で4往復くらいメールをしましたかね。その後、翌日の午後2時にはAFPが全世界にこれを発信したことを、後から大学の産学連携本部の人から教えてもらいました。AFPのは全世界に各国語で発信されたようで、日本語のもあります。

AFP(フランス)
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2884207/9117865?ctm_campaign=txt_topics


14日の夜はその後もBBCからの電話取材の申込と、Science誌からの電話取材の申込がありました。Science誌の方は東京にいる人で、日本語も少し話せる人でした。15日朝に電話で取材に応じましたが、かなり長く話して、いろいろ説明しました。最初は日本語でしたが、途中で英語になりました。論文には入ってない最近の分析の例ということで「テルマエ・ロマエ」「宇宙兄弟」の二つを説明しようとしたら、まずこの映画自体の説明を英語でしないといけなくて苦労しました。12月と3月に発表会をした大阪市長選と参議院選挙東京・大阪の選挙の予測の研究(ホットリンク、Mデータと共同研究)も説明しましたが、それがScience誌の記事にちゃんと書いてありましたね。Scienceは15日の夜にホームページに掲載されました。もちろん、英文です。

SCIENCE
http://news.sciencemag.org/sciencenow/2012/06/forget-movie-critics-mindless-in.html?ref=hp

さらに、Scienceと並行してBBCからの電話取材申し込みもありました。こちらは番組に使うとかで、女性キャスターの人と15日午後6時半に電話で話しました。もちろんイギリスからで、英語。最後はなんとなく盛り上がって、こんなやりとりを英語で。
キャスター「あらぁ、じゃ、ハリウッドのプロデューサーとかから引き合いとか来るんじゃない?」
私    「おお、それは大歓迎。でも、ハリウッドの人、誰も知らないけどね。」
キャスター「きっと大金持ちになりますよ。」
私     「そりゃあいいね」
このやりとりでお互い笑って取材は終わったんですが、録音、使い物になったんでしょうかねぇ。

15日はいろいろ取材があって長かったなぁと感慨にふけっていたその夜、メールでCNNから取材申込がありました。電話でというのですが、たまたま録っていた2時間ドラマを半分視たところだったので、「1時間後に」と返信し、2時間ドラマを見終わった後、電話インタビューに答えました。アメリカ本国からの電話で当然ながら英語です。でも、女性の声だったのは少しうれしかったかも。インタビューが終わった時にはこんなやりとりを。
「Thank you」
「Thank you for attention to our research.
Now, I will go to bed.」
「OK, good night」
音声を使ったかどうかはわかりませんが、CNNのホームページには以下の記事が。私の論文についてハリウッド関係者のコメントを取るなど、公平な立場での冷静な記事だなと感心しました。

http://marquee.blogs.cnn.com/2012/06/15/can-an-equation-predict-box-office-success/

土曜になって、やっと日本のマスコミもAFP電を見て動き、某新聞社から取材インタビューを受けました。ボツになるかもしれないけど、載ったらどこの新聞か教えますね。

いずれにしても、こんなに全世界から取材され、さらにその後数時間で次々と全世界に報道される経験は初めてです。気楽に電話で英語での取材を海外からされたのも初めて。初めてづくしで、疲れました。


大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する

大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する

  • 作者: 吉田 就彦、石井 晃、新垣久史
  • 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
  • 発売日: 2010/09/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



鳥取大学と(株)エム・データ、(株)ホットリンクで共同実施 「大阪ダブル選挙のクロスメディア分析」シンポジウムをしました [大ヒットの方程式]

先月の大阪W選挙の解析をソーシャルメディアの分析から進めた共同研究をエムデータ社、ホットリンク社と鳥取大学(の工学研究科機械宇宙工学専攻石井研究室)で行った成果を、12月7日にデジタルハリウッド大学秋葉原校の教室を会場として行われました。当日は準備していた教室はほぼ満席で、ざっと40人近くいたのかなと思います。共同研究はエムデータ社によるTV露出のデータ検索結果と、ホットリンク社のクチコミ係長によるソーシャルメディアのデータ検索結果を、著書「大ヒットの方程式」に述べたヒット現象の数理モデルの手法で解析してみるというものです。

私の発表の勘所は、今回の大阪市長選挙の橋下vs平松で、両者にヒット現象の数理モデルの観点で大きな差があったことの指摘です。特に、直接コミュニケーションと間接コミュニケーションの強度で橋下氏が圧倒的に優勢でした。その論点の補強のため、昨年の参議院選挙大阪地方区の分析もした結果、やはり直接コミュニケーションと間接コミュニケーションの強度の大きい順で投票結果が説明できることがわかりました。この大阪地方区ではタレントの岡部まりさんが次点だったのですが、知名度があるにもかかわらず次点となった理由も、この観点から説明できることがわかりました。

当日の私と院生の林君の発表は録画されており、いずれ編集されて公開されるんだろうと思いますが、今のところ、まだ私もその録画ビデオは見てません。

プレスリリース
http://www.damp.tottori-u.ac.jp/~lab3/MD_newsrelease_1202.pdf
http://www.damp.tottori-u.ac.jp/~lab3/MD_newsrelease_1125.pdf
大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する

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  • 作者: 吉田 就彦、石井晃、新垣久史
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日経トレンディネット「ツイッターはフォロワー数よりリツイート数! 効果的なつぶやきがある!?[映画宣伝のSNS戦略・前編]」を読んで [大ヒットの方程式]

日経トレンディネット「ツイッターはフォロワー数よりリツイート数! 効果的なつぶやきがある!?[映画宣伝のSNS戦略・前編]」を読んで

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/column/20110201/1034343/?ST=hitken&P=1

日経トレンディネットに載り、ツィッターでもリツィートされている「ツイッターはフォロワー数よりリツイート数! 効果的なつぶやきがある!?[映画宣伝のSNS戦略・前編]」を非常に興味深く読みました。私達の著書「大ヒットの方程式」とも繋がる議論があるので、それについて、項目ごとに私なりのコメントをしてみました。

なお、著作権を考えて、記事の内容は引用せず、5つの項目名だけを引用させていただいてますので、まずは元の記事を読んでからこちらを読まれるといいと思います。

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(1)ポータルサイトのニュースとツィッター、一番違うのは?

これは書かれているとおりですね。ポータルサイトのニュースと同じことをツィッターで繰り返し、これに消費者が反応してレスを返しても、それは無視されてしまうことをたまに見かけますが、これではツィッターで宣伝している意味がないです。映画宣伝とは違いますが、自治体である鳥取県の公式ツィッターアカウント @tottoripref などは、実にきめ細かくレスを返していて、このようなマメさがいろいろな宣伝でも必要になってくるでしょう。マメなアカウントを見慣れてきている消費者には、レスを返さないアカウントは、冷たく、高慢というマイナス印象を与えかねません。

(2) 効果的なつぶやき、更新方法とは?

こまめな更新が勧められていますが、「大ヒットの方程式」から見ても、まさにそのとおりです。こまめな更新と、それへの消費者、潜在的観客の反応は、SNSでは他の人も見てますので、更新とそれへの消費者の反応そのものが、宣伝になってます。また、「大ヒットの方程式」でも書いてますが、単発の宣伝、アナウンスは、2日ほどで消費者の印象から消えてしまいます。ですから、盛り上げるためには、宣伝側からの更新だけでなく、それへの消費者の反応も含めて、2日以上空けないという配慮が必要です。連続して大きな話題を出すのは無理だと思いますので、なるべく小刻みでいいから、マメに更新を。また、その更新に映画本体以外の話題もあれば、それは「大ヒットの方程式」にも吉田先生が書かれている『周辺話題性』に繋がり、複線で盛り上がりを起こすことが出来ます。

また、更新内容も、この記事で書かれているように、単なる告知では消費者は無視するでしょう。すでに知っているので。やはり、ツィッターで熱心なファンからのレスに、丁寧に応対すること。その丁寧な応対が終日続くと、その応対に対してまたレスがあるでしょう。それが盛り上がりになります。ツィッターでの盛り上がりとはキャッチボールのようなもので、それが、公式告知の繰り返しだけでは、壁打ち練習になってしまいます。

(3)大切なのはフォロワー数よりリツィート数

フォロワー数は読者の数ですから、宣伝側の書込がどれだけ直接伝わるかの目安として確かに重要です。ただ、フォロワー数だけで言えば、どのツィッターアカウントもテレビ放送にはかないません。いくらテレビの力が落ちてきていると言っても、やはり案外重要です。フォロワー数をやたらに増やしてテレビ放送に対抗しても意味無いことで、ツィッターならではのことは、そのツィートを見た消費者のレスやコメント付きリツィート。映画内容の評価を含むコメントが入ったリツィートが効果的なら、これほど有効な宣伝はありません。とにかく、一般消費者のリツィートである以上、”やらせ”でないとハッキリしているわけですから。

つまり、「大ヒットの方程式」で言えば、公式告知だけをツィートするということは、『広告・宣伝の項』を大きくしていることと同じです。これによる盛り上がりは限度があります。リツィート数が増えることは直接コミュニケーションになりますし、リツィートがさらにリツィートされていくと、これは間接コミュニケーションに繋がって大きな盛り上がりを生むはずです。

多くのフォロワーを抱える著名人のリツィートが重要であることは言うまでもないですが、それはあくまで結果。いろんなリツィートが溢れるようになると、自然と著名人のリツィートも混じってくると思います。

(4)フォロワー数を増やす方法とは?

自分のつぶやきに反応して公式アカウントがフォローしてくれたらうれしいですよね。私の経験では特に映画の公式アカウントがフォローしてくれたことはないですが、それでも、つぶやいたネタに近い立場の人がすぐフォローしてくれるのはうれしいです。そんな人間の心理をうまくついた、こまめな努力が必要なんでしょうね。

11月の明治大・水野誠先生のJIMS部会でお聞きした話と記憶してますが、企業アカウントの詳細な研究によると、フォロワーに対してフォローを返している場合と、まったく企業からはフォローしていない場合とがあります。企業側のツィートに対してのレスならフォローして無くても入ってきますから、フォロー返ししてなくても問題無いという見方もありますが、1人1人のフォロワーの立場で考えたら、フォロー返してくれた方がうれしいに決まってます。そのあたりの心理をどう掴むか、でしょうね。

(5)リアルとのコラボで、ツィッターの魅力を引き出す

ツィッターがリアルとコラボ出来ると言うことは、「大ヒットの方程式」で吉田先生が言う『周辺話題性』と繋がります。そのリアルとのコラボを、参加した消費者がツィートしてくれれば、それがまた話題となってツィッターで盛り上がります。そのあたりが、熱心なファンが行って楽しむだけでなく、ファン層を広げるような、つまり、「大ヒットの方程式」で言う間接コミュニケーションを盛り上げる方向で話題が進むように仕掛けるというあたりが肝要でしょう。

ツィッターが実際のリアルな世界とコラボレーションというのは楽しいでしょうね。私のように鳥取にいると、まずそういうことは考えられないので、ツィッターで触れている世界がそのままリアルとコラボというのが簡単に実現出来る東京はうらやましいと思いますね。

逆に、地方活性化でも、水木しげるロードのように、リアルな世界を持っている一方で、ツィッターとコラボするというのは、アリではないかなと思います。まぁ、水木先生に鬼太郎の名のアカウントでつぶやいてくださいとは言えませんが。笑




映画宣伝における「空中戦」「地上戦」

これは番外コメントです。よく広告宣伝の人たちは放送を使うことを「空中戦」、口コミを「地上戦」と言いますが、私は微妙に違和感を持ってます。空中戦とは多くは戦闘機・爆撃機と迎撃戦闘機との戦闘をを指すのに対し、放送で一気に宣伝を拡げるのは、どちらかと言うとミサイルによる集中攻撃で一気に闇雲に相手に広く打撃を与えるのに似ているからです。

ま、それはさておき、戦略、戦術の立場で言うと、空中戦と地上戦のどちらがいいと言うのではなく、どちらも重要です。要はいかに組み合わせるかです。それは実際の軍隊の戦略、戦術でも同じで、空中戦で優位でもベトナム戦争の米軍のように地上戦で大敗北を喫する場合もありますし、逆に地上戦が優位でも空中戦で負けて優位を喪失した、1944年冬のアルデンヌ攻勢でのドイツ軍(俗に言うバルジ大作戦)の場合もあります。タイミングとバランスが重要です。これは、「大ヒットの方程式」にも、P.40に書いてます。
大ヒットの方程式 ソーシャルメディアのクチコミ効果を数式化する

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  • 作者: 吉田 就彦
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ロイター電が報じた米ヤフーの研究「Web検索がヒットの予測に役立つ」よりも我々の「大ヒットの方程式」が先を行ってる! [大ヒットの方程式]

ネットワーク構造でスモールワールドを提案した人として有名なWatts教授のグループが最近発表した論文が、Webでヒットを予測できるとロイター電で大きく報じられた。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1009/30/news051.html
ここで紹介されている論文は、これです。
S.Goel, J.M.Hofman, S.Lahaie, D.M.Pennock and D.J.Watts,
"Predicting consumer behavior with Web search"
www.pnas.org/cgi/doi/10.1073/pnas.1005962107
この論文は、Webの検索でのヒット数が、映画ビデオゲーム、音楽などの売り上げと直結していて、場合によっては時間的変化まで類似していると言うこと。エンタテインメントだけでなく、インフルエンザの流行と、それに関するブログ書込数の数の一致なども時系列的なデータ(論文での図4)で示してます。これから、Web検索の数量的な把握は売り上げ予測に直結するものと思われるというのが結論のようです。

これって、「大ヒットの方程式」の読者の方なら、もうおわかりですよね?「大ヒットの方程式」第2章の図表10〜14で示した、ブログ書込数と観客動員数の推移の一致と似たことを、もっと粗い精度(日ごとではなく、せいぜい週単位)で言っているに過ぎません。

このWatts教授らの研究で欠落しているのは、広告の量(広告出稿費の量)と人々の関心の高さによって、観客動員数(売り上げ数)の時系列的な予測が出来るという数理モデルの部分です。つまり、「大ヒットの方程式」の第2章の数ページ分に相当することに対応する内容を、他の例も含めて統計的にきちっと研究してますが、それだけで、第2章の64ページ以降の内容や、第1章の数理モデルの部分にはまだ届いていないというのが、率直な評価です。

ちなみに、このWatts教授のグループの研究は今年の4月29日に提出されてますが、我々の研究成果をまとめた英文の第一論文と言える物は、すでに今年の2月にarXiv.orgという物理系研究のプレプリントサーバーにアップロードされ、全世界に公開されています。
http://jp.arxiv.org/abs/1002.4460
Akira Ishii, Sanae Umemura, Takefumi Hayashi, Naoya Matsuda, Takeshi Nakagawa, Hisashi Arakaki, Narihiko Yoshida
"Mathematical Model for Hit Phenomena"
8月30日の修正版は、図の一部が見えにくかったことの修正で、内容は同じです。
なお、この内容に関する国際的な場での研究発表は、経済物理学国際会議で2007年頃から何回か英語で発表してますし、昨年のComplex09という国際会議でも発表してます。つまり、発表も彼らより先で,その時点で数理モデルによる予測も含めて発表しています。

このように、世界的に見ても、我々の研究の発表の方が先ですし、彼らより遥に先を行ってます。

コトラー「マーケティング3.0」書評 [大ヒットの方程式]

コトラー教授というと、マーケティングでは有名な存在ですね。そのコトラー教授(と共同研究者らの)近著「マーケティング3,0」の本屋が出版されました。奇しくも我々の著書「大ヒットの方程式」と同じ日の発売です。

やはり、次の世代のマーケティングを謳っているだけに、気になって一気に読みました。読んだ感想としては、精神論が多くて、具体的なことに踏み込んでない。具体的にどうするのか、さっぱりわかりません。ただ、それは、”マーケティング3.0"という概念を説明する本で、具体的な点を詳述するのは、また別に分厚い本をいずれ出すというのなら、納得できないこともないです。

この本は、副題として”ソーシャルメディア時代の新法則”と銘打ってます。ただ、それにしてはソーシャルメディアについて具体的な分析もなく、ただ、人々がネットで繋がりやすくなって、その分消費者同士の会話がこれまでより格段に増える。そこまでの認識のようです。人々の繋がり方にはプール型、ウェブ型、ハブ型があると分類してますが、そこまでです。このような繋がり方の差は、人と人との繋がりをネットワークとして捉えるといろいろなネットワーク構造があるというだけで、これらは全て、我々の著書「大ヒットの方程式」で提唱しているヒット現象の数理モデルで言えば、直接コミュニケーションになります。つまり、コトラーたちは、我々が「大ヒットの方程式」の中で提案した間接コミュニケーションについて、完全に見落としてます。大ヒットは間接コミュニケーションによる場合が多いので、その点で、コトラーたちの認識は甘いと言えます。ただ、間接コミュニケーションという考えは我々が2005年から提案して研究発表とかしていますが、発表の場は経済物理学の国際会議などが多いので、海外の経済学者とは多少交流がありましたが、海外のマーケティング研究者との接点は無かったですから、コトラーたちが間接コミュニケーションを知らなくても無理はないです。

この「マーケティング3.0」では、単なる宣伝の仕方の説明とかではなく、社員との価値共有、協力関係の会社(パートナー)との価値共有、株主との関係、社会貢献(環境、フェアトレード、貧富の差など)への寄与、などがマーケティングとして重要ということも書いています。そのあたりは、私も勉強になるなぁという感じはありました。ただ、各章があまりに短く、精神論でありすぎる感じです。

また、我々の「大ヒットの方程式」では宣伝のタイミングが非常に重要ということを強調していますが、タイミングという点では、「マーケティング3.0」は何も言っていません。変化は論じていますが、この本で言う変化は数年かかるようなゆっくりとした会社あるいは業態の変化で、数日でのタイミングのようなことではありません。成熟市場で、テクノロジーや政治的理由、あるいはなんらかの理由で急激に状況が変化し、市場が新しい形で形成されるとしたら、その新たに形成された市場でシェアを確保できるのは、変化の最初を捉えてタイミング良く動いた会社のはずです。その意味ではタイミングは重要と思われるのですが、コトラーは無言です。

細かい点での不満を言えば、会社の例が全てアメリカの会社なので、コカコーラやアップルのようなグローバルな企業でない限り、ぴんと来ないなというのが正直なところです。また、環境に優しい会社が好印象を持たれるというのは、今のアメリカの話で、日本ではとっくの昔から環境に優しい方向で動くのは当たり前になっています。そのように、国情が違うので参考にならない話もありますね。

総括すると、マーケティングとして目を配らないといけない点についてのアドバイスにはなりますが、ソーシャルメディアが主体となる新しいマーケティングの原論としては、ちょっと考え方が古すぎるという感じがしました。

我々の「大ヒットの方程式」は間違いなくソーシャルメディア主体の次世代マーケティングの方向性を示すものだと思いますが、まだ、コトラーの本ほど全体に目配りはしていないので、その意味では、今後、マーケティングの分野の人と共同で考えていくという部分では勉強にはなりました。


コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

コトラーのマーケティング3.0 ソーシャル・メディア時代の新法則

  • 作者: フィリップ・コトラー
  • 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
  • 発売日: 2010/09/07
  • メディア: 単行本



「大ヒットの方程式」の研究のきっかけになった本はこれ [大ヒットの方程式]

今週発売になった「大ヒットの方程式」の序章で、私がきっかけになったと書いている吉田先生の著書「ヒット学」は、これです。まだアマゾンに在庫がごく少数残っているみたいなので、紹介しておきますね。

この「ヒット学」を読んで、その中身を数式に直していったのが、私が提案したヒット現象の数理モデルです。


ヒット学─コンテンツ・ビジネスに学ぶ6つのヒット法則

ヒット学─コンテンツ・ビジネスに学ぶ6つのヒット法則




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